北米のスクウェア・エニックス メンバーズに、「KINGDOM HEARTS 358/2Days」に関するファンから野村哲也氏へのQ&A記事が掲載。多忙な野村氏が合間を縫って応えてくれたそうです。以下インタビューより(Q&A/回答文、一部省略有り)
Q・一連のKHシリーズは、これまでPS2に留まっていましたが、DSハードにおいて最も挑戦した所は何でしたか?
野村氏:最も難しかったのは、KINGDOM HEARTS をDSというハードの制限の中で、3Dコントロールで再構成したことです。他にはDS独特の機能(タッチスクリーン・ワイヤレス)を使用したプレイを取り入れたことなどですね
Q・パネルシステムのようないくつかの新しい機能は何によって決まりましたか?
野村氏:先ほども言いましたが、DSハードはタッチパネルという感覚的な操作ができるので、試行錯誤の上でタッチパネルによるキャラクターのアビリティの成長システムを取り入れました。
Q・アニメやゲームに関して学んでいます。このゲームのキャラクターやシステムを作るプロセスが知りたいです。DSのカートリッジという環境に合わせて変更しましたか?
野村氏:リアルタイムで動かせるキャラはDSの為に作られましたが、ゲーム中のカットやイベントはオリジナルモデルです。もちろん、容量の節約の為にかなり圧縮をしました
Q・ロクサスを主人公に選んだ理由は?
野村氏:ロクサスを選んだのは2つの理由から。1つは新しい主人公によって新しいプラットフォームにスムーズに入れるように。2つ目はマルチプレイで特有のXIII機関を使いたかったので
Q・シオンの最初のコンセプトはどこから?
野村氏:シオンという名前と彼女の背景は、このタイトルの制作中に構成されましたが、XIII機関からロクサスが離れる時にシオンのようなキャラクターのコンセプトが既にありました。 なので、タイトル制作中はその少女が持つ考えや詳述に取組み、そのコンセプトを元にシオンのストーリーを書きました
Q・ゲーム開発の中で最も困難だった事は?
野村氏:マルチプレイモードの開発は、容量の制限により最も悩まさされました。4人同時プレイでKHワールドを表現する試みは、非常に高いハードルでした
Q・時間やシステムの制約でできなかったことは?
野村氏:マルチプレイモードのプレイヤー最大数増加、個々のプレイヤーが別のマップを移動するということをテストしたが、製品版に入れる事ができませんでした。
Q・当初入れる予定だったピノキオワールドはどんなの?
野村氏:ピノキオのサーカスでの物語です。心があるあやつり人形と心を持たないノーバディーの物語で、ロクサスとシオンが自分たちの望みを探す、悲しいストーリーでした。
Q・ディズニーワールドはどうやって選んでるの?
野村氏:ワールドを決める時の一番の要因は、バラエティーに富んだステージとその世界がストーリーによく合っているかということです。
Q・どのワールドの設計が難しかったですか?
野村氏:DSハードの仕様で、難しかったデザインは”トワイライトタウン”です。プレイヤーの体験を損なわないように幾つかの場所を作り直すのは挑戦でした。もちろん、3Dゲームの特徴である、広いマップを自由に動き回ることができるので、このゲームにおいて大好きな世界のうちの1つです。また同様に、物語的にも非常に忘れがたい場所でもあります。
Q・ハートレスとノーバディの関係は明らかにされますか?
野村氏:KHシリーズの各タイトルは同じタイムラインで起こるので、各タイトルのキャラクター間で関連付けて考えることは可能ですが、1つのRPGエピソードで達成するのは不可能です。 ストーリー自体が非常に複雑で、まだ解決していない多くの謎があり、プレーヤーは、意外な展開と別のストーリーなどを通じて、物語の構造の大半で携わるとになるでしょう。
Q・XIII機関の武器の設計で楽しかったのは?違う武器の設計は楽しかった?
野村氏:XIII機関の武器を設計する担当者がいるのですが、関係する大量の仕事やデザインの変更があったにもかかわらず、多数のコミカルな武器のデザインを楽しんでいたようです。
Q・XIII機関のメンバーは何歳?
野村氏:数人のキャラクターには特定の年齢を設定しましたが、他はそれほど明確ではありません。最も年上は40代、そして30代、下は20代、ロクサスが15歳と一番若いです。
Q・モーグリはXIII機関じゃないのに何でローブを着てるの?どうやって手に入れたの?
野村氏:他のキャラクターで言えば、リクもミッキーもローブを着ています。つまりローブを着ることはXIII機関であることの必要条件ではありません。モーグリが城の中にいることを許されているので、たぶんコートはXIII機関が用意したのでしょう。
Q・XIII機関のだれが好きですか?
野村氏:機関のどのメンバーもユニークで、みんな好きですね。もちろん主人公であるロクサスも好きです、操作キャラとしては銃を使えるシグバール、物語的な展開で言えば重荷を抱えたアクセルを選ぶでしょうね。Daysに関してはシオンがとても重要な役割を担います
Q・シーソルトアイスは実在するのですか?
野村氏:見かけは異なりますが、それは”東京ディズニーシー”で売られている、とても美味しいソルト味のアイスクリームから来ています。
Q・徐々にですが、KHシリーズが進むに従って、キャラやストーリーはますます複雑で深くなっています。ゲームの方向性はダークな面に向かっているように見えます。今後このシリーズは、もう少し高い年齢層向けになってゆくと期待していいのですか?
野村氏:構想の段階から、KHは特定の年齢層をターゲットとして考えていませんでした。 最初のタイトルから、分かりやすいストーリーが若い層に合う、という考えは全く持っておらず、それがこれまでのところシリーズ成功の主な理由であると考えています。ですから、この先もその方針を変えることはないでしょうね。 どちらかと言えば、ストーリーよりむしろゲームシステムの取組みに、年齢層を意識するべきだと考えています。
Q・ロクサスは主人公なので、彼の話を知ることができるけど、他のXIII機関メンバーの過去を知ることはできないの?例えば、どうやってノーバディーになったり、機関ができたりしたのかとか
野村氏:ロクサス同様、どのキャラについても詳細な過去を調べるのはどうかと思うのですが、別のタイトルで多少の過去を垣間見ることができるかもしれませんね。実際、Birth by Sleep にはそのような場面がいくつかあります。
Q・358/2DaysとBirth by Sleepには繋がりがあるのでしょうか?
野村氏:もちろんあります。Daysをプレイした誰もが、Birth by Sleepとの繋がりに気づくと思います。Birth by Sleepの前に、Daysを最後まで楽しんでもらいたいですね。
Q・日本ではこのゲームの開発を終えてますが、計画が明かされていないKHのゲームがあるのでしょうか?
野村氏:詳しくは言えないのですが、いくつかのタイトルの計画があって、その開発に取り掛かっていますので、楽しみにしていてください。
[NA SQEX MENBERS Blog]
KINGDOM HEARTS 358/2 Days Fan-Powered Q&A with Tetsuya Nomura
うわあ、ピノキオワールドなんてあったんだ。
いれてほしかったなあ。